(日本経済新聞2019.12.06)
再配達削減 日本郵便と来年に
アマゾンジャパンは2020年に希望者に対してネット通販の荷物を玄関前などに置く「置き配」を全国展開する。
自社の配送網のある地域に限ってきたが、宅配3位の日本郵便と連携する方針を固めた。再配達は日本の宅配便全体の役2割を占め、年に9万人の労働力を要している。減らす事で配達員の負担の軽減や業務の効率化につなげる。
置き配はネット通販市場が日本の5倍の米国、14倍の中国では一般的だ。
日本郵便は3月、宅配大手で初めて置き配を導入した。ただ、荷物の盗難や破損があった場合の補償問題がネックになり利用は広がっていない。
アマゾンは商品の注文時に玄関前やガスメーターボックス、車庫などから置き場所を選べるようにし、2月から自社の配達網の一部で置き配を開始。日本郵便がもつ国内2万4千局の郵便局網を活用し全国に広げる。
日本郵便は配達員が荷物を置いた様子をスマートフォンで撮影しアマゾンに送信、その後アマゾンからアプリ屋メールで受取人に配達完了を知らせる事を検討している。配達した後にアマゾンの荷物の盗難や破損があれば、同社が消費者に商品の再送や返金などで対応する。盗難の防止策や配送伝票が見える事への利用者の不安など、置き配の普及に向け課題の解決にも取り組む。
18年度の日本全体での宅配便の取扱数は約43億個だった。ネット通販の利用が増えて4年連続で過去最高を更新。同時に再配達も増えた。19年4月のヤマト運輸、佐川急便、日本郵便の大手3社の再配達率は16%と前年から1%上昇。都市部は18%と特に高い。
アマゾンは置き配に消極的なヤマト運輸にも連携を求めていく。
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